古くから東山と並んで京都のシンボルとして名高い鴨川。時には禊の川として神聖な行事をささえ、時には京友禅の艶やかな彩りを川面に浮かび上がらせ、京の人々の暮らしになくてはならない清らかな流れを保ってきました。
鴨川公園は、京都市の中心部を流れる鴨川の河川敷に整備された公園です。そのさわやかな流れをはさんで南北に伸びる水辺の緑地は、市街地の中にある貴重なリフレッシュ空間としても、親しまれています。
とりわけ丸太町橋あたりから柊野にかけては、芝生や運動広場をはじめ、整備のすすんだ美しいスポット。たとえば出町橋から北山大橋に至る東岸には、ジョギングロードや木立に囲まれた散歩道が整っています。また、出町橋近くの合流部は、ウィークデーはビジネスマンやOLのランチタイムに、休日には親子連れなどで賑わう人気のエリアです。
一方、竹田橋周辺から小枝橋までの下流緑地は、主に散策の場として地元の皆さんに利用されています。
この河川敷が現在のように美しく整備されるようになったきっかけは、昭和10年の集中豪雨で鴨川が氾濫したこと。このため河川の大改修工事によって高水敷が整えられ、緑地化して運動広場や芝生地がつくられたのです。堤防上には当時のサクラやマツ、カエデ、ムク、エノキなどの老並木が残り、水辺に遊ぶ人々の姿を見守っています。